Chiva

ウエスト・サイド・ストーリーのChivaのレビュー・感想・評価

4.4
「ロミオとジュリエット」を20世紀アメリカの人種間のいざこざで表現した作品。

昔のウェストサイドストーリーはちゃんと観たことがなかったので、ロミジュリのあの切なさがどう表現されるのかなと思ったら、

あぁ、まさか、そんな。。。

再開発で街自体の終わりが近づく中、共に街を愛し、仲間との楽しい暮らしを守りたいジェッツとシャークス。

どっちが勝っても時代のうねりに飲まれていくのなら、いっそ団結して街を守ろう!…となっても良かったはず。でも、民族間の誉れのぶつかり合いがもはや止められない状況。パワーのぶつかり合いが悲劇を生んでしまった。

胸が締め付けられるようなストーリーに、すすり泣く声があちらこちらから聞こえました。

これぞ、劇場。観客皆で作品を観る場を作っているなと。

やっぱり映画館は良いですね。冒頭のジェッツが街を踊りながら闊歩するシーンですでに、迫力に圧倒されてしまい、後頭部にジーーンと興奮のシビレがきました。

ダンスのキレと伸びやかさが素晴らしく、パワフルな掛け合いだけでなく、しっとりと愛情を表現する部分での表現力も素敵でした。

ヒロインはじめ歌唱力も素晴らしく、楽曲も素敵でしたが、プエルトリコ住民モノだとイン・ザ・ハイツがチラついてしまい、南米+ラップのイン・ザ・ハイツにノリでは一歩譲るかなと思っちゃいました。団地の外観のシーンで、イン・ザ・ハイツのメインテーマのリズムがちょっと流れたと思って興奮したのですが、一般的なリズムなのでしょうか。(スティックで、カッカッカッ、カッカッというやつです。)

ロミオとジュリエット、そしてウェストサイドストーリーという名作だからこそ、スピルバーグ監督は並々ならぬ愛をもってこの作品を作ったんだろうなと感じました。昔のウェストサイドストーリーも改めて観てみようと思います。今は今作の余韻がまだしばらく続きそうなので、しばらくは浸ることとします。
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