前方後円墳

桂子ですけどの前方後円墳のレビュー・感想・評価

桂子ですけど(1997年製作の映画)
1.0
この映画に物語はない。
鈴木桂子が22歳の誕生日までの3週間の自分を正確に記録として残そうとするだけだ。
そこには本来ならば、何もない日、何もない時間、何もない瞬間があるはずだった。しかし、それを映像として園監督は描こうとする。
1時間1分1秒という作品の中で、その一瞬一瞬を輝けるものとして捉えるのかどうか、それらの判断はすべて鑑賞者にゆだねられる作品だ。観た者が何を感じるかしかないのだ。鈴木桂子という媒体を通して「時」をどう感じるか。

DVDに同時収録されている『俺は園子温だ!』は園監督の比類な感覚を垣間見ることは出来るものの、その映像の内容に『桂子ですけど』同様にストーリーはない。題名のとおり自己主張に鑑賞者は置いてけぼりをくうだけだ。