前方後円墳

SURVIVE STYLE5+ /サバイブ スタイル5+の前方後円墳のレビュー・感想・評価

4.0
映像が絢爛でさらにスピード感がある。そしてスタイリッシュ。COOLという単語が良く似合う。

妻を殺す夫(浅野忠信)と何度殺しても蘇る妻(橋本麗香)。
アイデアをテープレコーダーに吹き込んでみては、ニタニタしているCMプランナー(小泉今日子)。
催眠術をかけたまま殺されてしまう催眠術師(阿部寛)。
催眠術で鳥にされたままになるサラリーマン(岸辺一徳)と困惑するその家族。
空き巣3人組(津田寛治、森下能幸、JAI WEST)。
殺し屋(Vinnie Jones)とその通訳(荒川良々)。
彼らがちょろちょろと関わりあって、ぶっ飛んだラストに流れ込むのだが、とにかくアイデアと一発芸が目白押しに出てくる。とても面白いのだが、ワンシーンに全力投球のせいで、なかなか話が前に進まない。場面場面でのスピード感はあるが、作品全体のスピード感はないという不思議なつくりになっている。

出演者が豪華。それだけでも満足するほどだ。
その中でもインパクトがあるのが次の3人。
橋本麗香はさすがモデルで美しく、かわいらしい衣装でどんどんパワーアップしていくのがいい。見事な飛び蹴りは必見だ。
阿部寛の壊れっぷり、イヤミっぷりも必見。
岸辺一徳のハト。最初はかなり変だが、見慣れてくると哀愁が漂っているように見えてしまうから不思議だ。

ぶっ飛びなんだけど、その実、登場人物のそれぞれの愛情がしっかり伝わってくる、ハートフルな作品なのだ。