ベビーパウダー山崎

親鸞 白い道のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

親鸞 白い道(1987年製作の映画)
2.0
あの三國連太郎が撮るのだから、変態映画に仕上がっているはずと思って我慢して最後まで付き合ったが、三國連太郎が勉強して生み出した親鸞のクソ退屈な人生道の垂れ流しでぐったり。歴史を曲げ映画的に盛るとか必要ない許されない、実際の親鸞はこういう人物なんだ!という無駄に強情な三國連太郎の信念によって出来上がった、ただただ詰まらないだけの映画。
親鸞の民衆側と武家側の対立もはっきりせず、どちらものっぺりと平坦な演出で場面に合わせた台詞というより言わされているだけの「言葉」がだらだらと先行していて何も入ってこない。首切りなどもあるにはあるが、ゲテモノ映画にさえなっていない130分。
泥水をすすって生きているような民を映しながらも性的な描写がほとんどない(80年代制作で、亜湖も宮下順子も出てるのに!)。女性の手に触れるだけで大問題のようなくだりを真顔で描く三國連太郎、性的コンプレックスからの女性不信は本当だと思った。
日曜の朝早く起きて、こんなのに130分使うことはない。人生は短く、親鸞の説教より今の時代を生き抜くために必要な娯楽は山ほどある。