ゴト

グロリアのゴトのレビュー・感想・評価

グロリア(1980年製作の映画)
3.9
カサヴェテスの映画を全部観たわけじゃないけど、その中では割と商業的というか、実験的要素もなく観やすい印象。そして、ジーナ・ローランズの魅力が爆発している。

自分は男だけど、グロリアは観ていてこんな女性に守られたいと思ってしまう、稀有なキャラクターです。もしかしたら、フィルとグロリアの関係性がそう思わせるのかもしれない。この幼い少年は、自分の身を守ることは出来ないが、グロリアにとって息子であり、相棒であり、時に恋人でもあった。

この、守る守られるだけの関係ではない二人のやりとりがとても魅力的で、クライマックスに言い放つあのセリフ、「あの子は、上手く言えないけど利口で切れる子よ。一緒に寝た男の中じゃ最高ね」これが素晴らしい。

全てがジーナ・ローランズにこれを言わせるために逆算で作られているんじゃないか、と思うくらい。ハードボイルドな映画だから、銃も結構撃ってるけど、多分このセリフがどんな銃弾よりも強烈に相手を貫いていると思う。

グロリアにこれを言わせたフィルをカッコイイと思うと同時に、男は女に認められたい生き物なのかな、と思ったりもする。
ゴト

ゴト