1960年代の香港。
4人の男女が織りなす群像劇。
ひとときの交わりを
情感たっぷりに描く。
蒸れた香港。漂う色気。
気怠く退廃的な台詞。
切ないラテンの音楽。
動的で量感あふれる映像。
全てが上手く重なり、
擦れた色彩はロマンティックさを増す。
時系列に沿わないストーリー。
夢のような感覚を帯びる。
モノローグは醒めた夢を
語っているだけなんじゃないかと錯覚する。
荒々しいカメラワーク、奇妙な構図、
時間や視覚のわん曲がそれらを支えていたのだと
今なら分かる。
(再見って物語に溺れないからイイね)
大きい時計を敢えて低めに飾るのは
この映画を観てから20年、ずっと続けてる。
王家衛監督。
イイ映画を撮っていたなぁと思う。