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ALWAYS 三丁目の夕日’64のRyuのレビュー・感想・評価

ALWAYS 三丁目の夕日’64(2012年製作の映画)
4.0
昭和39年。東京オリンピックを前にどんどん近代化が進む中、夕日町三丁目には熱気がありながらも、いつもと変わらない日常があった。夫婦となった茶川とヒロミは淳之介と3人で仲良く暮らしており、ヒロミのお腹には新たな命も宿っていた。そんな中、茶川は連載している雑誌の人気を新人作家に奪われてピンチに陥っていた。一方、鈴木オートでは、後輩もできてすっかり頼もしくなった六子に医師の菊池との恋が芽生えようとしていた。

前作から5年が経過しており、茶川家には2階ができて、鈴木オートの建屋もキレイになっています。それから、淳之介と一平がめっちゃ成長してる(笑)。やっぱ子供の5年ってデカいですね。
ストーリーは相変わらずの人情味溢れるあったかいものばかりで、終始ニンマリかウルウルか、どっちかの状態でした。
1964年東京オリンピックが開催される ということで、ビルヂングや高速道路などの建設ラッシュで、前2作と比べると時代が進んでいってるのがよく分かります。ストーリー展開も、時代が進んでいくことが感じられるものになっております。作品全体として、まだまだ懐かしさは感じれるものの、これから人々も文明もどんどん近代化が進んでいくんだなぁ と考えると、この時期はなんだか最後のノスタルジーって感じがして、ちょっとした寂しさみたいなものも感じました。
しかし、そんな変化ばかりではなく、いつも通りの夕日町三丁目の姿もしっかりとあって、実家のような安心感もあります。変わっていくものと変わらないもの。どちらの良さも描かれていたのも良きです。
心温まる人情劇に、ノスタルジーな雰囲気。シリーズ3作通じて、ホッコリとホロりに溢れており、心が浄化される素敵な作品でした。
今作の舞台挨拶で、1970年の万博を舞台にした続編構想についてちょろっとだけ言及されたみたいですね。東京オリンピックの1964年で終わらせるってのもめっちゃ良いんですが、まだまだ続編を観てみたいって気持ちもちょっとあります。
活気溢れる昭和の面影なんか無くなってしまった令和。混沌とした世の中になってしまいましたが、夕日だけは変わらずキレイに輝いています。
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