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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのstのレビュー・感想・評価

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冒頭、ヴィレ内の上司部下のやり取りにゆとり世代的な諦観やゼロ年代的な日常への風刺が漂い、ここに前作・前々作にあった平凡さは存在しないことが宣言される。そして作中を通して、シンジの浅薄・短絡さが露呈していくがそこへの内省が見られない点が特徴的(というより今回はそれほどまでに打ちのめされているということだろうか)。あれよあれよと事が進んでいくが、全体として説明に乏しく、テレビ版含めひたすら叙述的な表現を繰り返してきた反動からか、容赦のない表現が続く。ヴィレ対ネルフ、ゲンドウ対ゼーレ、シンジ対アスカ。旧劇『まごころを、君に』と同じく、物語は抗争路線へと進む。対立と反抗の先に屹立する世界とは如何に。
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