安定のクリスチャン・ベール主演西部劇、チャールズ・ブロンソン亡きあとは、西部劇といえば彼に決まりだ。
埃っぽい服と帽子、それを取ったあとの髪の毛から髭など、実にさまになる。
そして、クール。ブロンソンはニヒルでもあったが、ベールはあくまでもクールに振る舞う。
この映画では、豊かで厳しい荒野の自然も主役で、アウトドアブームどころでない、本物の野営と移動とともに、美しい大自然の光景も映し出される。
主役とともにロザムンド・パイクの演技も凄く、饒舌ではないが、心に残る。
なによりも、「騎兵隊大尉がネイティブ・アメリカンの酋長を護衛する」という設定が巧く、新しくかつおもしろかった。
重厚で美しい西部劇。爽快なエンターテインメントではないが、武器を使った争いの虚しさも、新しい融和の可能性も表現している映画だった。