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バッファロー’66のmayumayuのレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
4.5
たぶん、この映画は封切りの時は受験で行けなかった。
話題になっているのはずっと知っていたけど、あらすじやポスター観ても、映画観ないとこの良さはわからないよね。
フィルマの再上映。本当にありがとうと言いたいです。
仕事も家のこともあるし、最近体調が今ひとつだったので、今日、ここじゃないともう観られなかった。
本当に観て良かった。観て良かったなぁ。
いい映画だなぁ。

ギャロ。作品は初めて。想像より細身で驚いた。
ギャロはどうしてクリスティーナリッチを選んだんだろう。すごいな。白くてふわふわしている。役のせいか、なんか光って見える。

ちょっと溶けかけて汚れた雪と黒い路面が見えるのって一面の雪景色より寂しくて寒々しいと思う。そして薄着なふたり。愛への希求と飢え。生きづらさ。
ここからは内容に触れるので間開けて書きます。












さっきも書いたが、ただ寒くて美しくも白くもない季節。ビリーはなかなかトイレにも行けない。情けなさと不安が漂う。前半はビリーの、愛されたいという希求、会いに行っても喜んでもらえないという不安、不安の裏返しの乱暴な言動、激昂に苛立ちすら感じてしまう。ビリー結構泣いてるよね。家の前で泣いて、写真見て泣いて。情緒不安定で友達に久しぶりに電話して最後怒鳴りつけて実は自己嫌悪。生きづらそうだなぁ、と苦しさ半ば、苛立ち半ばで観ていたが、あのトイレでのひとりでの煩悶。生きて行けない‥!絞り出すような感情にぐっと心を掴まれる。
そこにむちむちした白く光るようなレイラ。でもレイラはあの絞り出すような彼の嘆きは見ていないのに、どうして好きになれたのか。拐かされて、脅されて、車運転できない男なんだから逃げりゃいいじゃんと思ってしまったけど、いつから好きになったのか。すごいなレイラ。でも、私はレイラにはなれないなー。怒鳴り散らす男性は嫌いです。

両親は息子に関心があまりないのだろうな。夫婦お互いにもあまり関心なさそうな。子どもの気持ちよりラグビー。犬🐶はどうなったのか。アンジェリカ・ヒューストンだったのかーわからなかったなー。

ラスト近く、ホテルでのハグ、すごく感動しちゃった。彼が、あんなに優しく人に触るのはあそこが初めてだった。
最悪な道を選ばないでほしくて、ハラハラしちゃった。
当時は指定席じゃない時代で、ヒットしてて並んでチケット買ったと聞きました。納得です。
今日の回の入りは14人くらい。ひとりで見にきた人が多そうでした。
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