ごりぞう

バッファロー’66のごりぞうのレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
5.0
「生きられない」

主人公ビリーが、実家のトイレで苦悶する。出所して、またチンピラ生活に戻り、実家に見栄を張るために誘拐した女性を連れて帰るが、そもそも親は自分に興味がないという現実に息詰まる。

現代のハムレットは、「生きるべきか?」と問うこともない。「死にたい」と願うこともない。「生きられない」という過酷な世界に身を置くのである。

彼を救うのは、ぽちゃった天使レイラ(クリスティーナ・リッチ)。愛があればクソみたいな世界に光が(束の間であれ)射すという希望を教えてくれる物語である。
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