「たとえ どんなに愚かな世界でも
身勝手な人ばかりでもそこには希望がある
それが君のメッセージでは?」
ダスティン・ホフマンの「卒業」と似ている点が多い。父親が裕福であったり、プールに飛び込むシーンなんかはまんまだ。
本作にはジャック・ブラックにベン・スティラーが出演しており、いわゆるフラットパックものであるが、ベン・スティラーは過去にジェネレーションXを描いた作品「リアリティ・バイツ」を撮った。そんな彼だから本作にノンクレジットで出演したのも頷ける。
だが「卒業」と違うのは彼には頼もしい仲間がいることだ。
それはひょうきん者のジャック・ブラックであったり、楽観的な彼女がいたりと彼の取り巻きはすごくポジティブなものであふれている。
であるから解決方法も、すごくバカっぽいがこのあたりはMTVフィルムズらしさがでていると感じる。
が、現実はこうじゃない。
君の近くにジャック・ブラックはいなければ、自分のために動いてくれる人がこんなにいるのだろうか。結局物語は主人公の力で解決されたのではなく、周りがしてくれたという結果にモヤモヤがつきまとう。
とはいえ、「卒業」や「リアリティ・バイツ」をみて若者に希望を与えることが出来るのかと言えば疑問が残る。この作品にはそういった正しいメッセージよりもずっといい希望を与えてくれる。真実を知るのはもっと後でいいのだ。
ちなみに、ジャケットのジャック・ブラックが口からオレンジを出しているのは、ふじいあきらの口からトランプみたいなものではない。