背景が1960年代に設定され、古き良き時代を懐かしむ感じ。
壊れそうな位に古い高校のクラブハウス“カルチェラタン”。その中にひしめき合って乱立するいろいろな文化部とか、古いそのクラブハウスの取り壊し反対問題とか。まるで大学の学生運動のようだった。
また、主人公の松崎海(長澤まさみ)と風間俊(岡田准一)との恋愛も初々しく、演出自体もややたどたどしくて初々しい感じ。
ラストの二人の関係の真相も、いいような、でも早過ぎて、取ってつけたような気もする。
自分の大学時代のことを思い出した、それこそ、クラブハウスで、部活を口実として、延々と飲んでいたり、夜遅くまで歌ったりしたことが、ありありと思い出された。大学移転の為、今ではもう跡形もないが、その頃のことが懐かしく思い出された。
原作をかなり変えて、脚本を書いた宮崎駿が、昔を懐かしんて、こうあったらいい、という思いを込めて書いたらしい。
制作現場では、口出ししたい宮崎駿と、それを押しとどめようとした宮崎吾朗監督のせめぎ合いが大変なものだったらしく、そちらは激しいドラマだったと(2021.5.31)。