モンテ・ヘルマンの映画は高校時代に観た「断絶」と「果てなき路」以来だが、「断絶」は名作だった気がするので、これも観てみた。が、つまらない。。。
ジャック・ニコルソンが出演と脚本を兼ねていて気合い十分だが、西部劇としては全くと言っていいほど見どころがない。。。「旋風の中に馬を進めろ」なんて勢いあるタイトルとは裏腹に、まあ、地味。
50年代以前のハリウッドらしい娯楽映画の演出や派手なアクション、勧善懲悪的なストーリーに疑問を投げかけ、演出を抑えたり、逆にトリッキーなことをしたり、不条理な世界を表現したりした、後のニューシネマの到来を予感させるタイプの映画(極端な例だと『セコンド』とか『泳ぐひと』とか)を西部劇でやろうとしたのかもしれないけど、この映画は明らかに失敗してる。演出を抑えれば良いってもんじゃないよね。
まあ、西部開拓時代の「自衛の精神」の裏には、こういうこともあったでしょうってのはわかるけどね。馬を臆病な存在として表現しているのは興味深い。
でも、もしかしたら、ケリー・ライカートの西部劇はこういう映画から何かを受け継いだのかもしれない。
