真世紀

ユン・ピョウIN 妖刀秘伝の真世紀のレビュー・感想・評価

ユン・ピョウIN 妖刀秘伝(1993年製作の映画)
3.3
ユン・ピョウ主演の古装片。金庸著『碧血剣』が原作だが、何よりの改変は原作では故人としてその過去の復讐の生涯が語られる金蛇郎君が、映画本編では現在の人物として登場し、演じるダニー・リーがかなりおいしいところを持っていく。

ユン・ピョウ演じる主人公も名将の父が無実の罪を着せられ、皇帝に殺されている悲劇の人物だが、警官としての使命感と金郎蛇君への友情の板挟みになる方に葛藤し、逆に父母を知らずに育ったせいか、冒頭に提示された、自身の復讐の事情については終盤まで無縁に過ごすことになる。

登場人物も原作の過去パートが現在になっていることもあってか、多々。

恋愛関係では軸となる金蛇郎君とその十年の不在の間に人妻となったエリザベス・リーの悲恋に加え、主人公を囲み、憎からず思う女性達も泥棒実は…のチョン・マン、五毒教主アニタ・ユン、さらに王の娘・葉全真と三人もいる。

その上、金蛇剣を狙う人々やらチョン・マンの師匠ン・マンタやら息子を失い錯乱しているその妻やらユン・ピョウに碧血剣を渡すべくさまよっている父の遺臣やらと明らかにキャラは多すぎる中でストーリーはばたばたと進み、説明不足の点もかなりあり、観る側は交通整理の暇もない。

が、そんな中でも宙を行く輿の中で琴を弾く五毒教主だの、このジャンルならではの好みな描写もあり。

中古ビデオで観る。
真世紀

真世紀