真っ黒こげ太郎

F.R.A.T./戦慄の武装警察の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

F.R.A.T./戦慄の武装警察(2005年製作の映画)
3.8
真実は、襲撃の果てに現れる―――。

そもそも前半でアッサリ真相がバレてるんですがそれは…。



エジソン・シティの平和を守る武装警察のF.R.A.T.(フラット)。
だが、実はF.R.A.T.は性悪な汚職警官で構成された略奪部隊だったのだ!!!
彼らは町の平和を守る反面、裏では悪党側から金品やら麻薬やらを盗んだり、悪人を躊躇なく処刑したり、密かに女をはべらせたり、秘密を知った人間をボコって口封じしたりしていたのだ。
しかも、その汚職は上層部の深~いところまで伸びていた。

新米ジャーナリストの青年ジョシュ・ポラックはF.R.A.T.のやり口に疑問を感じ、調査を開始する。
一方、F.R.A.T.に所属するレイフ・ディード巡査はF.R.A.T.のやり方に疑問を感じ、善悪の境目で揺らいでいた。

やがてジョシュとディードは接触し、やがてエジソン・シティを揺るがす大事件へと発展していくのだった。




若き熱血ジャーナリストと善悪に揺らぐ警官が手を組み、汚職警察の真相を追う、サスペンス・アクション。

汚職刑事が出てくるアクション物と聞いて、てっきり真人間刑事と悪徳刑事が火花を散らす刑事アクションかと思ってレンタルしたが、実際はジャーナリストの青年が汚職警官の真相を暴くサスペンス物だった。
お話としては捻りのない汚職刑事物で、真実を知った記者が命を狙われたり、善人な警官が記者と手を汲んだりする、よくある話です。


本作、キャストはかなり豪華だが製作がミレニアム・フィルムなので、思いっきりB級な出来になってるのは否めない。

冒頭とクライマックスのドンパチはかなり派手ではあるが、それ以外に特筆するアクションはなく、ひたすら捜査を続けるだけなので地味。
肝心の捜査パートも、味方側のバックボーンが強すぎる所為で何処か緊張感に欠けるし、そもそも序盤でアッサリ相手が汚職警官である事は明らかになっちゃうし、そんな中で「警官は悪なのか!?」という事を調査しても盛り上がり切らない。


そんな感じで、全体的に地味ーな内容だし、サスペンスとしての出来栄えもアレなのでビデオスルー止まりで評判も悪いのもしょうがないとは思う。

が、俺はそんな期待してなかった(爆)ので、割と楽しめました。
そもそも顔と名前を知ってる人がモーガン・フリーマンさんしか居ないし。w


ストーリーはベタだが、正義のジャーナリストと敵側に就いてる正義の刑事が手を組んで極悪警察のアレコレを暴いていくという展開は中々面白いし、他の主要人物のキャラもしっかり立っている。
主人公は凄腕の師匠や警官側の仲間等、仲間が強力ではあるが、戦闘力は皆無なので「どうやって悪徳警官に立ち向かうか」という面での面白さがある。
(まぁ、最終的にはドンパチして解決するんだが。w)

ベテランジャーナリスト役のモーガン・フリーマン氏や内部の調査官役のケビン・スペイシー氏はベテランな演技でしっかり存在感がありましたし、LL・クール・J氏が演じている善悪の間で揺れ動いているマッチョ刑事も良かったですね。
(今回で初めて知ったんだが、LL・クール・Jさんって「ディープ・ブルー」であのコックさんを演じてた人だったんだね!w)
まぁその所為で無鉄砲主人公役のジャスティン・ティンバーレイク氏の方が存在感が薄いですが。w

アクションシーンは冒頭とクライマックスに集中してますが、どちらの銃撃戦も中々に迫力がありました。
ただ、ここまで派手にドンパチできるならLL・クール・Jさんが悪徳警官相手に大暴れする普通の刑事アクションに仕上げて欲しかった感はありますが。w


正直豪華なスター俳優を活かせてないし、展開も地味、緊張感もほぼ無いので社会派ドラマとしてもイマイチではありましたが、B級のサスペンスアクションとしてはストーリーは面白い部類だし、数少ないドンパチもしっかり見どころになってるので、暇つぶしがてらに見ればそこそこは楽しめると思います。
まぁ、B級映画だし過度な期待は禁物だけどね。