ノッチ

ジェイソンのノッチのレビュー・感想・評価

ジェイソン(1999年製作の映画)
2.5
キャンプ・パインズ。

ここには伝説の殺人鬼、『トレバー・モアハウス』がいると信じられていた。

しかしそんな話しを信じないジュリー達数人の若者が、キャンプ指導員としてその地を訪れる。

だが、指導員達は一人、また一人と姿を消していき・・・。

『13日の金曜日』シリーズと『悪魔のいけにえ』をモチーフにした、スプラッター・ホラー。

内容は、キャンプ場にやってきた男女が、ホッケーのマスクを被った男にチェーン・ソーを振り回され襲われるという内容です。

原題は『BLOODY MURDER』。

『13日の金曜日』はもちろん、あの殺人鬼『ジェイソン』とは何の関係も無い映画です。

しかし、殺人犯が使用するマスクはジェイソンのものに似たホッケーマスク。

また、10代の若者に恐るべきことを警告する老人もいます。

もろパクりですね。

下手をすればリメイクと勘違いされかねません。

ストーリーも多少『13日の金曜日』と似ているようにも思えます。

舞台は湖畔のキャンプ場、オープンの準備に集まる若者達、土地に伝わる不吉なウワサ、狂人扱いされている不気味な老人、過去にあった 不可解な事件、そしてホッケーマスクの殺人鬼。

なんかもう、「揃いも揃った」という感じです。

だけど、重大な事実がありまして、この映画の殺人鬼の名前は『トレバー・モアハウス』でジェイソンではありません。

でも、ジェイソンはチャンと出てきますよ。

うふふ。

今回の連続殺人劇はヤツが犯人なのだろうか?

それともほかの何者かが・・・?

という風にストーリーは進行していきます。

誰が犯人か分からないというミステリー要素があるっちゃある。

でも、映画を観ながら犯人を推理しようにも、人物の数が多くてよく解んないんですよ。

クライマックスで犯人の正体がわかっても「えーと、誰だっけ?このヒト?」って感じでしたね。

なんとなくこの映画は、80年代に戻ってきた低予算の映画のいくつかの便乗作品を思い出させます。

まぁ正直、そこまで悪くはない出来だと思いますよ。

だが、なまじ期待が大きかった分、脱力感も大きかった。

チェーン・ソーで殺すのは1人だけだし。

全体的に、スラッシャーフィルムのための最も基本的なことを欠いている。

ゴア、血まみれ描写、怖さ、何よりお色気がない。

「眼球をえぐるショックビジュアル」とか言ってますが、目をみはるようなスゴイ特殊メイクとか使っていませんし、特別グロいシーンなどもありません。

火サスとか月ミス程度の流血レベルです。

グロいのが苦手な人でも、たぶん大丈夫。

そしてどういうわけか、ほとんどの殺害は昼間に起きています。

わざわざ昼間に殺人するより夜の方がリスクは少ないし、やっぱり夜じゃないと不気味な雰囲気は出ませんね。

ちなみに、ビデオのジャケ裏にこんな記載がありました。

『またもホッケー・マスクの虐殺魔人。お前は誰だ!』…と。

いやいや、『お前は誰だ!』って聞きたいのは、こっちですが!?
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