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ル・アーヴルの靴みがきのkyokoのレビュー・感想・評価

ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)
3.8
カウリスマキ作品3作目。
「希望のかなた」と同じ、難民がテーマだけど、こちらはフランスが舞台。これもまた期待を裏切ることのない作品だった。

今作も「ふふっ」と笑いがもれる場面が多い。靴磨きを商売にしているけど、そもそも港町だから革靴履いてる人がそんなにいないとか、ツケ溜まってるから店閉められるとか、飲み屋でいつもたむろってる3人男のどうでもいい会話とか。でもいちばんはパイナップル小脇に抱えたモネ警視(思わず「買うんかい!」とつっこんでしまった)。そこだけ切り取って部屋に貼りたいくらい好き。

そしてここでもわんこがかわいい。
ライカは「過去のない男」のハンニバルの孫だそうで(カウリスマキ監督インタビューよりhttp://eiga.com/movie/57822/interview/)、絶妙な距離感でもってイドリッサに寄り添う姿はさすが。

年齢を重ねた人々の、滋味が溢れた作品だった。
イドリッサは彼らにとって未来への希望の光であり、イドリッサを助けることはもはや使命感と言っていい。静かに情熱を燃やしている人々がかっこよかった。
もちろんフルコーラス歌いきるリトル・ボブもw

ラストはちょっとおとぎ話過ぎる気もするのだけど、でもやっぱりこのミラクルハッピーエンドで良かった(医者の意味不明な言い訳も◎)。

イドリッサの後ろ姿のみの日本版のDVDジャケットもいいのだけど、海外版のマルセルとモネ警視が向かいあっているのもいいなあ。
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