きゅうげん

モンティ・パイソン/人生狂騒曲のきゅうげんのレビュー・感想・評価

4.7
モンティ・パイソン最後の映画は「人生の意味」についての作品。
メンバーたちは不満の残る出来だったらしいですが、個人的はパイソン映画でいちばん好きかも。

冒頭に挿入されるテリー・ギリアムの『クリムゾン 老人は荒野を目指す』は、寓意的物語としても比喩的映像表現としても素晴らしいものの、これですでに予算カツカツ。
つづくテリー・ジョーンズのミュージカル『すべての精子は神聖である』でそのほとんどを使い果たしてしまったとか。
まぁ確かに、後半へ進むにつれて失速してゆく感じは否めませんが、しかしどのスケッチも理知的なユーモアとバカバカしいナンセンスさが高完成度で最高。

とくに、女性や性的少数者などを題材としたコメディを多く担い、自身も同性愛者であったグレアム・チャップマンが、神様として登場する最後のスケッチはホントくだらなくておかしくて、でも彼なりの意思表示がこの上なく感じられて、そこからあの番組オープニングが流れるエンディングとなることも相まって、なんだか感動しちゃいました。
うーん、天国はクリスマスのラスベガスかぁ……!