これは恐ろしいよ。
強制収容所で非道な人体実験を行ったヨーゼフ・メンゲレの逃亡先南米での活動とナチスハンターの話。原作はアイラ・レヴィンの小説。
同じく南米でのメンゲレの逃亡生活を描いた「見知らぬ医師」や「マイ・ファーザー 死の天使」というのも観たけど(見応えあり)、本作のほうが恐ろしさが段違い。
フィクションだとわかっていても、アイツならやりかねないと思えるし、杜撰さが妙にリアルだし、ヒトラーは亡くなっても遺伝子レベルで生きているかもとゾッとする。
とかいってもメンゲレも人間なのだから、どこかに人間らしさはあるんじゃないかと頭の片隅で考えていたが、この映画では全くそんなことは描かれない。人間味のかけらもない。
ただただ不快で非人道的で残酷で非情だが映画としてはとても面白く興味深く観た。
とにかくゾッとするのだよ、現在に繋がってそうな話でさ……