竜平

ホーリーマンの竜平のレビュー・感想・評価

ホーリーマン(1998年製作の映画)
3.5
業績がだいぶ低迷しているというテレビショッピング番組のプロデューサーを務める男のもとにある日「G」と名乗る不思議な男が現れて、というところから始まる話。ファンタジー的コメディ映画。

番組プロデューサーの男はじつは準主役的な立ち位置。なんだか自分に自信がなくそれ故か仕事も上手くいかず、やぶれかぶれな様子の男、演じるのがジェフ・ゴールドブラム。そこへどこからともなく現れるのがエディ・マーフィ演じる「G」なんだけど、おおらかで優しくて人を惹きつけるカリスマ性みたいなのも見える、所謂「聖人」と言うのかな、そんな彼を軸にして巻き起こるドタバタ模様やサクセスストーリー。でシュールなのも含めてがっつりコメディ路線で進むかと思いきや、全編通して結構皮肉めいてたり、またちょっとしたメッセージ性も見えてきたりする内容という。無垢な人物とのやり取りの中で問われる善意とか良心とか、そこでの葛藤とかちょっぴりヒューマンドラマ寄りでもあったり、また終盤の雰囲気なんかはちょいシリアスでもあったり。エディ・マーフィ大暴れ、みたいなのを期待すると肩透かしをくらっちゃうかも、的な。そうそう、マーフィもゴールドブラムもあんまふざけないってのが今作の特徴かなと。

細かいところは見事に説明されず終わるんだけども全然察せる感じで、変なモヤモヤは残らなかった気がする。そもそも名前が「G」なのとか、まぁきっとそーゆーこと。例えば『スラムドッグ$ミリオネア』あたりにもあるような力技の見える結末だったりもするけど、「本当に大切なものとは」みたいなのを問われるいいあんばいのベタさと、あと音楽も相まってのパワーね、こーゆーの嫌いじゃない。ただまぁこの内容この雰囲気ならもっと上映時間を短くするなどしてスッキリさせてもよかったんじゃないかなとか思ったからこのくらいの点数で。
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