三畳

ジプシーのときの三畳のレビュー・感想・評価

ジプシーのとき(1989年製作の映画)
4.8
人を信じられなくなった主人公が、自分の子だとは信じてない息子と初めて会った時、逆に開口一番いきなり疑われるのも、金貨を盗んで逃げられるのも、主人公の息子であることの裏付けになってしまうという皮肉。
旅に出る前の素朴な表情を思えばこそ悲しい。復讐なんてやめてただ帰って暮らすわけにはいかなかったのかな。胸に来るバッドエンド。
いかなるときも同じ曲。
メインビジュアルの川の画を見て絶対にいい映画に違いないと思ったら、そのシーンは幻想的で抽象的で、そこまで本筋に関係しないパートだったけど、予想以上に凄みのある話だった。
家の屋根を持ち上げちゃってむき出しになった部屋でビールを飲むのも気持ち良さそう。そういう明らかに変なシーンの強さの陰で、何気ない細かいシーンも実は結構ひとつひとつ狂っている。かっこいい。
動物や花嫁など伏線がたくさん見え隠れしているからまた観たい。
三畳

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