Longsleeper

スペシャリスト 自覚なき殺戮者のLongsleeperのレビュー・感想・評価

4.0
アイヒマン裁判のドキュメンタリー。
『ハンナ・アーレント』で触れられていた、アイヒマンの官僚的な悪の凡庸さを詳らかに紹介する感じ。
行政の罪に刑事罰を当てはめようとすることの違和感も、この映画を観て確かに納得できた。
証言者の言語が何ヶ国語にもわたるところから、ホロコーストの被害の範囲の広さが窺い知れる。
「考えることをやめてしまう罪」について、今日に至るまでドイツ人が鋭敏な感覚を持つに至った背景がよくわかる。
アイヒマンも、指摘を受け続ける中でそれを認識していると思われる瞬間が時々ある。
理性を持った人間でい続けるための努力を放棄してはいけない。
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