Longsleeper

グリーンブックのLongsleeperのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.2
じわじわずっと温かさが残る映画。
カーネギーホールって住めるのか……

初対面で反目し、その溝がだんだん埋まっていくというのはオーソドックスな展開だけども、それが丁寧で描写もリアリティがあってどんどん引き込まれる。
裕福じゃなく粗野なトニーの日常、裕福で教養もあるドクの対比が最初の印象だけど、だんだんそれだけじゃないとわかってくる。
学はないけど仲間や家族はいるトニー対お金や才能があっても孤独なドクという構図が明らかになる時と、二人の感情が一番ぶつかり合う場面が重なる。
ケンタッキー、テネシー、アラバマまで行くんか……と深南部に行くにつれ緊張感も高まっていくから余計に目が離せなくなっていく。
そして終盤の保安官との何気ない一幕から、北部に帰ってきたなあって安心する。

リスペクトを持つことはお互いを理解し合うことから始まるんだと痛感させられるストーリーだったけど、大人になってからその機会を得られることはなかなかない……ましてこの時代に人種を超えてわかりあうなんて超難易度高いけど、お互いに何か光るものを感じたからこそドクはトニーを雇ったしトニーはドクのために働いたんかな。
そしてトニーの切った張ったの能力ほんとに尊敬する。
数字も強くないし専門知識もないのであの能力を身につけて会社員人生生き抜きたいと常々思っている。

ずっと見たかったので念願の視聴だった。
あの時代の黒人差別の激しさが伝わってきて、でも実際はこんなもんじゃないんだろうと思うと。。。
生きてるだけで迫害されるってなんなんだよ……
差別じゃなくてこの土地のしきたりなんです!って考えで悪気なく差別するって世界のどこでもありそうだ。

独りだなって思う時は夜が一番辛いから、飲まずにいられなかったんだろう。
時間を共有したい人がいるでもなく、ただ騒ぎに出かけることもできずってなると余計に。

才能だけじゃ十分じゃない 勇気が人々の心を変えるんだ

手紙をありがとう
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