ウィル・スミスがウィル・スミスに見えない演技力で輝いてる。
歩き方から訛りからウィリアムズ家のお父ちゃんを完コピ。
ウィリアムズ姉妹のヴィーナスのほうに焦点が当たっている。
アメリカのポジティブの力が目一杯詰め込まれた作品。
ヴィーナスとセリーナが出てきた頃のテニスを見た人なら間違いなく楽しい作品。
ナブラチロワにクルニコワにカプリアティとか、懐かしい名前のオンパレード。
後のヒンギスとのバチバチの関係が懐かしい。
サンプラスやマッケンローまで。
お父ちゃんは全米オープンの応援席でバーガー食らってる姿しか知らなかったけど、こうやって二人を育ててきたのかーと驚きの連続だった。
アメリカで黒人として生きる難しさから娘たちを守るために成績優秀に育て、スーパースターにするという信念があったのがわかる。
今もまだ警官の暴力で亡くなる人がいて、セリーナですら出産後危険な状態だった時、何度も訴えてようやくCT撮ってもらえた（アフリカ系の産婦は白人の産婦より有意に死亡率が高い）と聞くと、それは間違ってなかったんだと思う。
序盤からずっと「これは父ちゃんの過干渉とも言えるよな…」という違和感があったけど、終盤できちんと消化されていた。
子どもには、絶対に味方でいて守ってくれる大人が必要だけど、最後は信じて手を離す勇気がいるというメッセージがあった。
そして、手を離して見守ると決めた後の方が、リチャードも解放された顔をしてる気がする。
ヴィーナス役の子が可愛くて、応援したくなってしまう。
「なんで私を信じてくれないの？」という目の演技が良くて、リックが「おいおいそんな目で見つめられたら……わーったよやってやるよ！」となるとこで笑った。
リチャードとオラシーンとリック、誰一人欠けても今の彼女たちはなかったんじゃないか。
爆進するリチャードをオラシーンがフォローし、リックがプロフェッショナルかつ第三者としてのアドバイスを提供する三角関係。
和ませ役も兼ねてる笑
姉妹役の子はテニスもキレキレ。
演技ができてテニスもできる子たちを起用して、この映画が撮れたこと自体が姉妹の功績だと思う。
それ以前は完全に白人のスポーツだったわけで。
ヴィーナスの相手が上手い相手になるに連れて試合の態度も真っ当になっていく。
リチャード本当にめんどくさい人だけど、その彼を成長させたのはヴィーナスだという描写が良かった。
