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ベンジャミン・バトン 数奇な人生のgのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

人の数だけ人生がある。その人生は人によって全く違う。そしてこの映画の主人公、ベンジャミンは他の人とは180度違う人生を送ることになる。

この世に誕生して、食事が出来るようになり、言葉を喋るようになり、不安定ながらも立って歩くことができるようになる。人との関わり方を学び、そして大人になって、やがて老いて、死んでしまう。

そんな当たり前のストーリーが、逆流していったら??

ベンジャミンは年老いた老人の姿で生まれて、時が経つにつれて若返っていく。しかし、それは本当に「数奇」だったのだろうか?

数奇とは、神から見放された、という意味を持つが、ベンジャミンは「神から見放されていた」???

確かに老いた姿で産まれるのは、(言い方は悪いですが)醜いのかもしれない。
愛する人と人生を共にし、同じ様に老いて行くことが出来ないのは、悲しいことなのかもしれない。生まれたとき、(ベンジャミンの姿がお爺さんの時)、一緒にいた施設のお年寄りは、ベンジャミンを置いて亡くなっていってしまう。人と共にいきていけないというのは、辛いことなんだろう。

しかし、人生が逆流していったからこそ得られたベンジャミンだけの幸せもあったんじゃないのか…。

ベンジャミンは良い母親に恵まれ、素敵な女性に出会い、かつて愛した女性の腕の中で死んでゆく。生まれたばかりの赤子のような姿で、静かにその生涯を終える。

そんな幸せが、ベンジャミンの「悲しい人生の逆流」に勝ることは出来ないのだろうか。


「運が良い人も、運が悪い人もいない。運が良いと思う人と、運が悪いと思う人がいるだけだ」
とおっしゃった俳優さんがいました。ベンジャミンの人生は、生まれた時から人とはまるで違う。それは憂うことなのかもしれないが、ベンジャミンの考え方次第で幸せにもなれたんじゃないのかな~……

と思ってしまうのは、わたしが普通に生まれて、普通に不自由なく毎日を過ごしているからなんでしょうね…。

そして、数奇な人生っていったらデイジーも負けてない。愛するベンジャミンは若返って行くのに、自分は老いて行く。シワも増え、白髪も増え…。女性としては辛いものがある。「私がシワだらけのおばあちゃんになっても愛してくれる?」みたいなセリフがありましたが、そこにデイジーの悲しさが詰まっているような気がした。

海を泳いだ女性のエピソード、たまらなく好きです。ああいうのをちょっと入れてくれると、作品に対する思い入れがグッと増します。

2時間46分という長い映画ではありますが、あまり長さを感じることなく観れたので良かったです。

そして何と言っても年老いたメイク凄い!若返って行くブラピはたまらなくカッコいい!
ブラピ!ブラピ!
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