久々の再(Blu-rayでは初)鑑賞。
「俺はボブ・ディランみたいに反体制でいたい
服役したの? ああ!」
【いまを生きる】、【トゥルーマン・ショー】の名匠、ピーター・ウィアー脚本/監督による、
オーストラリア時代の【不条理・サスペンス】。
大学教授の妻、ジル(ジュディ・モリス)の前にバスルームを修理するよう依頼を受けたというプラマー〈配管工〉、マックス(アイヴァー・カンツ)が現れる。
その日から毎日訪れる配管工。
しかし水道の修理は一向にはかどらず、バスルームはどんどん[破壊]されていく。
更にどこか怪しげなマックスが語る真実か嘘かも判らない話に、孤独な彼女に言い知れぬ恐怖が積み重なっていく…。
★脚本
序盤早々から本題に入るテンポ良好。
冒頭の妻、ジルと夫、ブライアン(ロバート・コールビー)の会話/リンクがこれから起こる事の予兆/伏線とジャンルの提示になっているのかもしれない。
ジルは、アパートで人類学の論文を。
ブライアンは、大学教授で大きなプロジェクト(スイス留学)を控え、異変/ストレス を感じたジルの訴えに中々耳を貸さないという構図は、ホラー/スリラーでは定番だ。
勝手にシャワー浴びたり、おせっかい、
常備品の物色、屋根から侵入、
ギター持ち込んでライブ!
行動がマトモじゃない!
手よりクチの方が良く動く!
初日数時間で完了するはずが、、
治るどころか日に日に壊れていくバスルーム!
やがて、鉄パイプだらけに、、
目的は何だ⁈
マックスは、良い奴か⁈悪いヤツか⁈
ウソの上手い人間は、ウソだけで固めない。
配管工の言う 言動の真偽 が観る者にも突き付けられるのだ。
あるモノでの 伏線 をしっかり用意も抜かりなし。
夫や友人、メグ(キャンディ・レイモンド)といるパートが緩急の緩になっている。
ほぼ、アパート内2人の ワンシチュスタイル だが、短尺と間延びの無いテンポの良さで飽きない。
終盤、
夫婦間の 安堵感 が ズレている のが面白い。
〜のクライマックスと 伏線張ってのオチ を迎える。
静かなる爆発。
正にそれが本作の 逆転的/どんでん返しだ。
★総評
本作に明確な ジャンル提示 は見当たらない。
確かに配管工員に不気味な怪しさが付き纏うが、実際は、サイコな事象/被害は起こらない為、心理/インベーション・サスペンスの一種 と呼ぶのがしっくりくる。
主人公、ジルの置かれた苛立ちや得体の知れない恐怖心理/疑心暗鬼を観る者も 擬似体験 しているかのよう。
恐怖と笑いは紙一重。
内容的には作風次第で充分コメディ化出来るもの。
ギリギリのところを突いているが、作風/演出から
本作の監督の意図は1㍉も笑いに向けてはいないだろう(個人比)。
鑑賞には、
伏線や心理描写(脚本)に着目するべく、
ラストの 心理的オチ も 秀逸 で、ピーター監督(36)の非凡さが窺える 埋もれた小品 だ。