レオピン

サボタージュのレオピンのネタバレレビュー・内容・結末

サボタージュ(1936年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

辞書からのタイトル引用画面が漫画っぽい

これも失敗作と位置付けているよう。何しろ暗い。スティーヴィーがあんな目に遭う理由はどこにもなかった。ワンこも一緒だったしなぁ

サボタージュは主に左翼が行う生産設備・機械設備の破壊活動のことだが市街での爆弾テロとなると次元が違う。私は大衆に嫌われたくないとか言ってたくせに。停電ぐらいまでにしとけ。

劇場主ヴァーロック オスカー・ホモルカ
その妻にシルヴィア・シドニー
ロンドン警視庁刑事テッドにジョン・ローダー
ヒッチ監督は彼の演技に不満だったようだ。元はピーター・ローレとロバート・ドーナットのキャスティングだったが実現しなかった。

刑事一人だけではなく警察全体の動きをもうちょっと見せてくれたら違ったかも。隣の八百屋だか果物屋での張り込みとか容疑者宅が映画館というのもあまり生かされていない。ロンドンじゃ八百屋はあんな白衣着て店に立ってたんだな。

だがそれでも見るべきところはある

報せのあとのショック状態の妻 劇場に降りて映画を観て笑う 最も悲しい瞬間に笑う この時のアニメはディズニー映画「誰がコック・ロビンを殺したの?」

事情を知らない家政婦が、弟さんの分も食事作っときましたからといって帰る。そして再度キッチンへ戻り夫の食事の準備をする。テーブルナイフで皿に取り分ける。殺意が一瞬 覆いつくす ここはサイレント的な演出で迫力十分だった。

妻が夫に殺意を覚える瞬間の心のありよう あの短いカットでつないだリズム
観ている側がぐぐぐっと引き込まれる感じがすごい。

ペットショップの男が鳥かごにブツを入れて取引するアイデア。小鳥といえば香港だ。映画『ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌』では密輸拳銃の取引に鳥カゴが使われていた。口笛で鳥をあやすおじさんは大抵悪いやつ。

好奇心にまかせ少年が色々と道草を食う。歯磨き粉や整髪剤の実演販売みたいなオヤジに捕まったのがいけなかった。まだ子供への扱いがヒドい時代だ。

あの劇場主の男だって報せのあとに、妻に対してもう忘れろとか未来を見ようとか結局何とも思っていない。家政婦の料理にケチをつけていたりする。どんな主義主張の持ち主だか知らないがこの男は罰を受けて当然であるというのは伝わった。

ただギャグもなく 暗い。 
人込みの中で弟と間違えて視線が宙をさまよう姉の姿はあわれ。
レオピン

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