くまねこ

さんかくのくまねこのレビュー・感想・評価

さんかく(2010年製作の映画)
3.7
『さんかく』吉田恵輔監督作WOWOWで視聴。(11年4ヶ月振り、2回目)ロリータ映画と思いきやサイコなストーカーホラー映画だった。

吉田恵輔監督の人物描写の巧みさは初期作品でも顕著であり、唸ってしまう。また、キャスティングも秀逸。
特に小野恵令奈のキャスティングが素晴らしい。小悪魔な可愛らしさの向こうに見え隠れする憎たらしさの演技、演出は面白い。

恋人の妹(小野恵令奈)に恋愛感情を抱き執拗に迫る30代ダメ男・百瀬(高岡蒼甫)の幼稚さ・未熟さが痛過ぎる。(痛車、焼肉屋店員への悪態、彼女の家電を盗んだり等、多数)
ラブコメがストーカーホラーに急展開する瞬間はスリリングだ。トイレを覗き見るシーン、アパートの窓ガラス破壊描写は「ヒメアノ〜ル」にも通じており興味深い。

彼女役の田畑智子が美容部員からマルチ商法に転職してるのをサラッと描くのも良い。百瀬が自室に仕掛けたカメラに映る田畑智子の姿は「ふがいない僕は〜」を想起させ興味深い。

仲野太賀、何役で出演してるんだろうと思ったら、終盤、百瀬を投げ飛ばす中学生かぁ!太賀が若くてかわいくて笑ってしまった。

ラストの田畑智子の笑顔がやや晴れやかにも見えて、小さな救いを感じた。
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