アラサーちゃん

舞台恐怖症のアラサーちゃんのレビュー・感想・評価

舞台恐怖症(1950年製作の映画)
3.0
ある日、警察に追われている友人ジョナサンから突然助けを求められるイヴ。マレーネ・ディートリッヒ演じるジョナサンの愛人・大女優シャーロットが夫を殺害したのだが、濡れ衣を着せられ、逃亡するはめになっているのだ。
彼の潔白を証明したいイヴは、協力的な父親を巻き込んで、新人メイド・ドリスとしてシャーロットの家に潜入する。しかし、事件を担当する刑事スミスはイヴに関心があり、イヴはドリスとイヴの一人二役を演じ分けることになり……というサスペンス。 ………サスペンス?はて。

女優の演技、というテーマにそったキーが散りばめられた映画です。隅々までテーマにそった完成度がいいです。
マレーネ・ディートリッヒの大女優の名演たるや素晴らしい。いや、そこまで演技が光るようなシーンも別になかったけどあれがね。存在感がね。圧倒的でした。あとはお父さんのキャラよかったなー。

序盤、主人公らしき男が警察に追われるのでヒッチカラー時代お得意のハラハラ逃亡サスペンスかと思ったけどそうでもなかった。むしろ主人公じゃないし。ヒーローですらないし。
面白いっちゃ面白いんだけども、ヒッチコックらしいサスペンス感がないというか、ピリッとした精細に欠ける印象。あえていうならラスト五分と人形のクダリかな。
「血のついた白いドレス」がマクガフィンになるのは出てきた瞬間からわかったけど、えー!もう燃やしちゃうのかよ!早くね?!思わず声に出して突っ込んだ。もう少し引っ張って欲しかったです。あれはもったいない。あっけなさすぎ(笑)