リアルなピノッキオ
ロビン・ウィリアムズ本当にいい役者さんだったなぁ
葛藤というか、哀しみを背負った笑顔と雰囲気がなんとも居た堪れない気持ちになる
家事ロボットとして購入され家族の元にやってきた「NDR114」
アンドロイドの聞き間違えから「アンドリュー」と名付けられ家族に迎えられる
世代を超え家族と交流する事で次第に自我を持ち、自由に憧れ人に恋をし人間にとって最も大切なモノを学んでいく
そんなロボットと人の世界が生み出す軋轢と葛藤を描いている
いや実に面白い
色んなロボット作品がある中で、人間を定義するモノが如何なるものか深く考察したことがなかったかもしれない
と思わせられる
そしてやっぱり
泣く
似たようなので『A.I.』もあったけど
まったく覚えてない
当時のオレには何一つ刺さらなかった
というより、面白くなかった様な覚えがある
そちらより断然泣く
昔観た時も大泣きした気がする
壁にぶつかりながら、少しずつ何かを獲得していく様子に愛おしさが込み上げる
一つの家族を見つめ、世代間を超える事で自然と到達していく結末に、ロボットだからこその人には見えにくい死生観が浮き彫りになっていく
死は決して悪いモノではない
死があるからこそ、また生も輝く
人は逃れられない事から逃げようとしすぎているのかもしれない
キチンと向き合い受け入れる事で人生の意義、みたいなモノも見えてくるのかな
そんな風に思った作品。
普通なら疲れてしまいそうな少し長尺で物静かな展開ではあるが、それを飛び越える深い内容と良い演技で有意義な時間に昇華される
やっぱりロビン・ウィリアムズの演技はイイ
笑顔の裏側に見せる切なさや
マジメな風貌に小粋なジョークとか
どれをとってもエンターテイメントのかたまりだと思う
昔からとても大好きな俳優
それだけに訃報を聞いた当時は凹み倒した
カナシス