KnightsofOdessa

ザ・バニシング-消失-のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)
3.0
No.824[犯行動機ソシオパス系映画の元祖] 60点

どうやら胸糞悪くなる映画だと聞いて楽しみにしていたのだが、そこまででもなかった。監督御本人がハリウッドリメイクに参戦したらしいが、結果は誰でも分かるだろう。惨敗だ。

知らない土地で同伴者が突然失踪する恐怖というのは万国共通らしく、しかも車上荒らしまでされて、踏んだり蹴ったりだなと同情してしまった。取り乱し方もハリウッドみたいに”うわー!”って感じではなく”え?”みたいな感じにしているのは非常にリアル。私も同伴者に置き去りにされたことがあるので、ここらへんの話は恐ろしかった。
のだが、突然おっさんが手にギプスはめるシーンが出てきて、こいつ犯人じゃねと思ったら本当にそうで失笑。伏線の張り方はあからさまだった。

というまでは良かったのだが、ここから少々間抜けなサイコパスの犯行までの道のりを時系列を若干乱して挿入し、観客は混乱する。道案内を口実に車に乗せようとしたり、荷車みたいなのを接合してほしいと女に頼んだりして返り討ちにあって全く成功しない。初めて偶然にも成功したのがサスキアだったのだ。うーん、最初から狂ったやつ出されてもなぁ。悪役として”ソシオパスです”ってこのジャンルの脚本としては敗北していると思うが。
もしかして、こんなヤツもいるんだぜ的な?

ただ、冒頭の失踪シーンの緊張感や主人公が見た幻想のシーン(一瞬)はすごい良かった。潰れた缶やヘッドランプなど小物の使い方も感心した。
まぁ、悪い映画ではないのは確か。
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