このレビューはネタバレを含みます
好奇心は猫をも殺す、そんな映画。
レックスは真相を知るために、この世で最も憎い人物であるはずのレイモンの指示に従い、彼の自動車に同乗し、差し出されるコーヒーを飲み、果ては棺桶に入れられ、生き埋めにされてしまう。
私たちは私たちで、二つの金の卵はぶつかり、消え、恋人たちは永遠を手に入れる、これはそういうハッピーエンドなのではないかと、怖ろしい考えを抱いてしまう。
いずれもレイモンに力ずくで強いられたわけではなく、自発的に起こったものである。
もちろんサイコスリラー映画としての怖ろしさもあるが、真に怖ろしいのは自らの中のレイモンに気づく瞬間である。
同じ穴の狢、そんな映画でもある。
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シネマ・ジャック&ベティにて鑑賞。