Kevin

歌声にのった少年のKevinのレビュー・感想・評価

歌声にのった少年(2015年製作の映画)
3.7
紛争の絶えないパレスチナ・ガザ地区で生まれ育ったムハンマド・アッサーフは少年時代、姉ヌールと2人の友人でバンドを組み“スター歌手になって世界を変える”という夢を持っていた。
しかし予想もしていなかった出来事が起こり、その夢を諦めてしまう。
やがて青年となったムハンマドはタクシー運転手として働いていた。
そんな日々を送る中、あることをきっかけに再び歌手になることを決意し、“カイロのオペラハウスで歌う”という目標を目指すことに...。

英語ならまだしもアラビア語だし、その上歌には歌詞が出てこない(最後以外)のになんでこんなに心を揺さぶられるんだろう。
いや、ほんと何言ってるか訳わかんないんですよ?
でも人の心というものは正直なもので自然と目頭が熱くなるんです。

そこで改めて気付かされたのがやっぱ歌って、音楽って全世界共通なんだなって。
何も言語の違いや信じるものの違いとかどうのこうの関係なく、音を創る人がいて、それを聴く人がいて、その空間そのものを共有する人達がいて。
それだけで音楽は成り立つんです。
そんな単純なものだけど逆にどれかが欠けると音楽じゃなくてただの音になっちゃうと思うんですよ。
そうして皆が音楽を軸に一つになれるって純粋に音楽って凄いなって思います。
だってその瞬間が少しでも明らかに平和じゃないですか。
争っていた人達が音楽によりその手を止めて、少しの間だけでも確かにそこには平和が生まれるんです。ひとりひとりが無意識の内に自ら紡ぎ、分かち合うんです。限りなく人々のあるべき姿だと。

しかしその後はまた争い合うかもしれない。
音楽について何も知らない自分が言うのは舐め腐ってますが、音楽の持つ力ってそんなもんなんです。
そんなもんだと思うんですけど、それってめちゃくちゃ素敵な力だなって。
他にこんなパワーを秘めてるものってあるのかな。

やっぱり音楽×映画の組み合わせは揺るぎない方程式。

P.S.自分はハリウッド俳優(目指してはないです。無理です。笑)に1番の憧れを抱いてるんですが、いつも思うのは1番楽しいのはミュージシャンだろうなって思います。それまでの辛さは並ならぬものだと思いますよもちろん。
それでも1度でいいからステージの上で演奏してみたい。あの上からの景色を目に焼き付けたい。絶対涙止まらないだろうな。
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