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ザ・マッドネス 狂乱の森のsayaのレビュー・感想・評価

ザ・マッドネス 狂乱の森(2010年製作の映画)
3.8
森の中で罠にかかった妹を助けようとした兄が、偶然出会った若者4人に応援を求めて、警察を呼んでもらう物語です。
鬱蒼とした森に迷い込んだ若者たちが殺人鬼に殺されていく定番のスラッシャー映画かと思わせておいて、予想外の方向に物語が転がっていくのがこの映画一番の魅力です。
なんと殺人鬼が序盤早々に麻酔銃で撃たれて眠りこんでしまい、まったく目を覚ましてくれません。
人を殺してないわけですから、殺人鬼と呼んでいいのかも分からなくなってきます。
罠にかかった女性を連れ去ろうとしていたので犯罪者なのは間違いないですが。
動物用の罠や地雷が残されている物騒な森で、たまたま居合わせた登場人物同士で勝手に争って死んでしまう世にも奇妙な物語なのです。
禁断の恋をして逃避行中の兄妹、同性愛を絡めた若者4人の複雑な恋愛模様、職権乱用して性的な取り調べを始める変態警官、妻と喧嘩中で仕事どころではない警官、キャラがとにかく濃かったです。
イスラエル映画なので、出演者たちの顔立ちまで濃いのですよ。
若者たちの顔面偏差値が高くて、美男美女が揃っているのはホラー映画としてもポイント高いです。
妻に無視されても何回も謝罪の電話をかけ続ける警官のたどる末路が切なくて泣けますよ、相棒が変態じゃなければ、こんな目に遭わずに済んだのですけどね。
最後に目を覚ます殺人鬼のほうが、他の登場人物よりまともそうに見えるのも面白いですね。
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