60年代末、自らが指導者となり史上最悪のカルト集団「マンソン・ファミリー」を組織したチャールズ・マンソン。
快楽と絶望の果てに、彼が大量虐殺を犯すまでの過程をリアルに再現していく。
実在したアメリカのカルト集団の殺人事件の話。
この『シリアルキラー』シリーズでは、1番見れたかな?
ガンズ・ローゼズやマリリン・マンソンが今でも歌をカバーし、マリリン・マンソンに至ってはここから名前を拝借した(悪の象徴だからだとか)とまで言われるチャールズ・マンソン。
そのチャールズ・マンソンがどのようにして悪事を働いたか、というよりマンソンファミリーがカルト集団に徐々に変わっていくことを主体にしている。
内容自体はドキュメント風な造りで、ドラッグシーンとセックスシーンと殺人シーン意外は殆どがマンソン一族の証言でした。
始めはドラッグをするかフリーセックスをするかといった無害だったグループが、徐々にマンソンをキリストのように扱いだし、マンソンの命令は絶対と服従して殺人を犯し、グループの狂気と破滅が描かれている。
むしろ、チャールズ・マンソン本人より、信者たちが恐ろしく描かれている。
カルト集団の一部始終を描いた映画だからあらかじめ覚悟はしていたけど、胸糞の悪さが半端じゃない。
低予算なのとマイナーな映画会社が製作していたことも含めて、演出の悪のり、小道具や殺人シーンのチープなグロさが身の毛もよだつほど気味が悪い。
大枚はたいた豪華な作品よりも、アングラなこじんまりした作品のほうが不気味なのが多いけど、これはまさにそういう作品だった。
役者、演出、設定と全てにおいて不快で気分が悪くなる。
そういうことを求める人にはこれほどうってつけな映画もないけど、チャールズ・マンソンのことが知りたいだけの軽いノリだと、絶望にふるい落とされるような映画だった。
この映画をダラダラとスナック菓子でも抱えて観れるようになったらちょっとヤバイかもね。
スウェットで炭酸飲料つきなら完璧だよ。
そして私が個人的に印象深かったセリフが、「世の中は全てFUCKだ。」というセリフでした。
タバコを吸う時も水を飲む時も、世の中の殆どが"出し入れ"しているという意味でした。
このセリフには驚く程納得させられてしまいました。