暗すぎず、明るすぎない静かな映画。
この世界はさまざまな人がいて、明るい人や暗い人、偏屈な人もいれば親切な人もいる。
今回の主人公のオーヴェは、偏屈であまり変化を求めない、どちらかと言えばつまらない人生を送っている。
そんな彼にとって、唯一の人生のいきがいは楽観的で親切で太陽みたいな存在である奥さんのソーニャだった。
しかし親愛なる奥さんが、亡くなってから彼はさらに頑固になり、卑屈になり、独りぼっちを嘆き、自殺することを決意するのだが。。。
この映画を見て思ったのは、身寄りのない人が孤独死するケースがスウェーデンでも社会問題になっているのかと思った。
人はひとりぼっちではやっぱり生きていけなくて、誰かに支えられないと変化することもなかなか難しい。
当たり前なんだけど、どこか忘れかけている気持ち。
オーヴェがそれに気づき、隣人と親しくなっていくのが、なんとも微笑ましかった。
隣人と仲良くなれるのが、どこか羨ましくて、知らない人に挨拶したいって思えるほど小さな幸せが詰め込まれた映画でした。
こんなふうに死ねたら本望ですね。
いくつかあげるとしたら自殺しようとする回数が多いのが気になったかな。
人生のリアルさを表現したいのはわかるけれど、もう少し柔らかくして欲しかった。
あとは奥さんがオーヴェのどこを好きになったのか、もっと繊細に描いて欲しかった。
人生の教訓になるような映画なので、是非観て欲しい作品です。