ウェス・アンダーソン版『田舎に泊まろう！』今回はインドを舞台にしていたから、あまり作り込まれた感じはなかったけど、急なカメラアングルの切り替わりや左右対称の構図を見ると「やっぱりウェスだ！」と安心する。映像が終始キッチュでキュートで観ていて全然飽きない。
もちろん世界観だけでなく、作品に込められているメッセージにも余念がない！現実味のない世界観にこそ真の人間味が宿ってる。行きの電車の中では何かにつき口喧嘩ばかりだった兄弟が、帰りのバスでは目線だけで心の会話をしている！いざという時は一致団結している！劇的ではない些細な変化を描こうとする優しさが私はたまらなく好きだ。
でこぼこ三兄弟みんな個性があって、観ていて一々楽しい。特にエイドリアン・ブロディの抜けた一面が見られたのが良かった。完璧な世界観が相まってシニカル&コミカル。
フランシスが包帯を外す場面、荷物を全部置いて汽車に飛び乗る場面…。手放すということ。
BGMがないんなら、自分でiPodで流しちゃえばいい。
