ドント

ザ・リッパーのドントのレビュー・感想・評価

ザ・リッパー(1982年製作の映画)
2.5
 1982年。ニューヨークで女性連続猟奇殺人事件が発生、犯人探しはともかく血みどろですごいことになる。
 今まで観てきたフルチ作品の中でもいちばん湿度が高く「悪趣味」な代物であった。それどころか今まで観てきた映画の中でもかなり上位の悪趣味さがある。エログロがいちいち全部ネットリと執拗で、人体をスーッ……サクーッ……とか尊厳をグシャーッ! みたいなのが湿度高く撮られていて嫌な感じなのである。
 オカルト/ホラーなら「まぁ悪魔の仕業だし」「地獄の所業だし」と割り切れるのだけどこれ人間のやることだし、犯人がアヒル声を真似て女をなぶったり警察を嘲笑うあたりも(一応理由付けはされるけど)陰湿さがへばりついていてすごくイヤなのだ。夜の街の湿り気や淫猥な雰囲気もまとわりついてきて、スラッシャー映画的な「陰気なアゲ感」もない。真相も暗鬱で幕切れも暗く、なんだか気が滅入るこわい映画だった。
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