shibamike

リッチ・アンド・ストレンジのshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

ヨーロッパやアジア各国の風景を垣間見ることができ、当時の人達は興味深かったのでは。

平凡な日常にうんざりしているフレッドが豪華客船で妻エミリーと旅行する。旅の途中、フレッドは女王と名乗る女性と、エミリーは老紳士ゴードンとそれぞれ禁断のロマンスをおっぴろげる。

この映画の肝は「夫婦の関係」と思う。夫も妻もそれぞれ不倫する。火遊び程度ではなく、二人ともガチだ。いよいよ旅行も終わりに近づいたところで、フレッドはエミリーを捨てる気満々。エミリーはというと、フレッドを捨てかけるが、「そんなことできない!」と寸手の所でゴードンと別れる。

フレッドは見栄っ張りでわがまま、おまけに自分の不倫は棚に上げてエミリーの不倫は糾弾するというドメスティックファシスト。なかなかウザイ奴なのだが、エミリーはフレッドを見捨てない。フレッドとは別れてゴードンと一緒になった方が明らかに幸せそうなのだが、ダメンズに弱いのか、そこんところ自分は理解できなかった。ヒッチコック版だめんず・うぉ~か~といったところか。「そんなヤツおらんやろぉ」と心の中の大木こだまがぼやく。

エミリーがフレッドを見捨てない言い分は「8年夫婦として一緒に暮らしてきて、夫がおめおめ破滅するのを見てられない。」とかそんなところであった。8年の夫婦生活で情が湧いたか、はたまたまだフレッドのことが好きなのか。熟年離婚する夫婦が多数いる昨今、パートナーの破滅なんざ気にかけるハートフルヒューマンがどれだけいるであろう。しかし、そんな世の中だからこそ相手を信頼する気持ちを大切にしようぜ!というヒッチコックからの愛のメッセージなのかも知れない。絶対違う。

終盤、船が沈没するという無理矢理こしらえた悲劇で2人の絆を強くし、中国人が乗る船に乗り、いつの間にかイギリスへ帰国。やっと日常に戻った夫婦であるが、些細なことでやはり喧嘩する。

当時の生活を見て、驚いたことはミシンが手動手回しであったこと。足で踏むのが楽だわなぁ。
沈みかけの船で見せたエミリーの船乗りファッションがイカシテいた。

チッチキチー!
shibamike

shibamike