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ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやるのRのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

1995年の日本の作品。

監督は「Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ!!わくわくハートのなつやすみ」の橋本光夫。

あらすじ

謎の老人ホイと出会った悟飯たちはホイの願いで伝説の勇者タピオンが眠る不思議なオルゴールを開けるため、ドラゴンボールの力を使い、開けてもらう。オルゴールから解き放たれた勇者はなぜ封印を解いたのだと怒り出し、悟飯たちと距離をとるが、唯一トランクスだけはタピオンを慕い、次第に一緒に過ごすようになる。同じ頃、下半身だけの謎の化け物が街を破壊していた。

去る2024年3月1日、日本を代表する偉大なる漫画家鳥山明氏がこの世を去った。俺自身も、もちろん「ドラゴンボール」は大好きだし、短編であり、昨年映画化された「サンドランド」やそれ以外の作品もみんな大好きでよく読み返してるくらい、もう漫画という文化に触れる上で、切っても切り離せない、まさに漫画の神様みたいな存在だった。改めて偉大な漫画家の死を追悼しつつ、今回は数ある劇場版ドラゴンボールの作品の中でも1番思い入れのある本作をチョイス。

お話はあらすじの通り、時系列的には魔人ブウとの戦いが終わった後らしく、地球には平和が戻っているという設定らしい。ということで前半は割とのほほんとしている。悟空はほぼほぼ隠居生活みたいなもんだし、出てくる悪党にはスーパーサイヤマン1号と2号に扮した悟飯とパンが対応してたりと割と気の抜けた感じが新鮮。また、今作の悪役にあたるホイも登場するものののんきにも勇者が封印されたとされるオルゴールを開けるのに協力しちゃったり(つか、適正のある奴が開けるとかじゃないんだ笑)、漫画では、特に少年パート時はあれだけ苦労した7つ探すというトレジャー要素も上映が52分しかない分、本当にサクッと、つーかほとんど街の中にあるんじゃないかってくらいあっさり見つかっちゃう。

で、今回のゲストキャラで劇場版キャラクターでは個人的に1番好きなのが勇者タピオン!!ルックは異星人という感じで赤いモヒカンのイケメンなんだけど(どうやら俺は未見だけど、新テレビシリーズのザマスというキャラに似てるとか)、なんつーか影のあるイケメンという感じでイイ!!それでいて、最初は悟空たちと「ある理由」から距離をとっているんだけど、唯一子犬のようにキャッキャと慕うトランクスとは関係性を築き、まるで兄弟のように仲良くなるくだりがまたイイ。

また魔物を封印するための笛を持ち歩いており、その笛の音色の物悲しさも彼が背負った呪いの悲しみを表しているようで、切なさ溢れるキャラクターとなっていた。やっぱカッケー。

で、実はこの勇者タピオン、体内に魔物を封印されていることがわかってくる。要は自分の惑星でホイたちが解き放った魔物ってのがそれにあたるんだけど、それを封印するために弟であるミノシアと剣で真っ二つにした上半身と下半身をそれぞれ自らの体に封印していたらしく、その体がお互い近づくと反応して元の体に戻ろうとするため、志願してオルゴールにそれぞれ長い間封印され、遠い宇宙で離れ離れになっていたと…いや、生い立ち悲しすぎるだろっ!!大好きな弟と離れ離れになっちゃった上に、オルゴールの中に封印されちゃうって。

しかも、封印が解かれた後は、自分が眠っちゃうと上半身の封印が解かれちゃうから、その封印を解けないように寝ずの番をしなきゃならなくて、そりゃ人払いするわな、マジで可哀想…。

で、そんな封印も結局ホイの横槍によって解かれちゃうんだけど、そこで登場するのがヒルデガーン!!見た目はドラゴンボールというよりかはドラクエのラスボスみたいな、まさに魔物的な凶悪なルックなんだけど、そのものずばり終盤では形態も進化して、ガイコツ的な見た目から昆虫を思わせる更に強大な姿に変形するのもなんか良い。つか、上半身と下半身がそれぞれ意志を持って動くという新しさもあって改めて印象的。

しかも、悟空たちの攻撃を透過するチート能力も持っており、それによって悟空、悟飯、ベジータ、それとフュージョンしてゴテンクスとなったトランクスと悟天もみんなやられちゃう絶望的展開。まぁ最後はタイトルよろしく龍拳爆発でやっつけられるんだけど、ほぼほぼ根性論で力づくでやっつけちゃうあたり、作り手もどうやってやっつけるべきかなかなか苦労した敵キャラだったんじゃないだろうか。

で、最後はタイムマシンで元の時代にタピオンも戻れることになるんだけど、そこで感謝の印としてタピオンから授けられたのが、タピオンの剣。なるほど!それが回り回って青年トランクスのあの剣になるわけか!!意外な原作とのリンクに心が熱くなる!!

そんな感じで改めて観たけど、やっぱ面白かった。もう鳥山さんの作品が観れないのは非常に残念だけど、ずっと俺たちの心に彼が描いたキャラクターたちは生き続ける。これからも折に触れて、そんなキャラクターたちの勇姿を新たに刻んでゆけたらなと思った。
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