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鮮血!悪夢の卒業式のsayaのレビュー・感想・評価

鮮血!悪夢の卒業式(1981年製作の映画)
2.0
陸上競技中に突然死した妹が表彰される卒業式に出席するために、海軍少尉の姉は帰省するのですが、時を同じくして陸上部員たちを狙った連続殺人事件が発生してしまう物語です。
『プロムナイト』に似た犯人当て要素のある学園ホラーですが、何年留年したのだろうと首を傾げてしまうような老けた高校生たちのどうでもいい会話やお色気シーンのせいで、長く退屈に感じてしまう作品でした。
殺人鬼と同じ手袋を所有する人物が何人もいて、誰もが怪しく見えるように撮影しているせいで誰にも感情移入できませんし、ヒロインさえも容疑者のひとりなので全く主人公らしくありません。
海軍少尉なのに強くないのも残念で、犯人なんて一発でぶっ飛ばしてほしかったです。
連続殺人事件の引き金となる妹の死が心臓麻痺による完全な事故なので、犯行動機にもあまり共感できないですし、どうせなら不審死にしたほうが姉も積極的に事件を調べようとして話が盛り上がったのではないでしょうか。
競技中に妹が倒れた場面にしても、恋人が駆け寄って泣くだけで蘇生を試みようとしないのは酷い話だと思うのですよ、助ける気ないじゃないですか。
部員を始末するたびに集合写真の顔にバツをつける演出や殺し方の工夫などホラーとして見どころもあるのですが、前年に公開された『13日の金曜日』と比べてもゴア描写は迫力不足でした。
死体が隠されて行方不明扱いになって、後半で全ての死体が見つかる演出はこの時代のホラーに多いですね。
凶器も持っていない容疑者を射殺してしまう警部こそが、この映画で一番の極悪人ではないでしょうか。
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