T太郎

飢餓海峡のT太郎のレビュー・感想・評価

飢餓海峡(1965年製作の映画)
4.3
499
久しぶりに鑑賞した。
監督は名匠内田吐夢、日本映画の名作だ。

メチャメチャ良かった。
長尺だが没入できた。 
注意力散漫で有名な私が没入できるとは、実に侮り難い作品だ。

あらかじめ申し上げておくが、今回のレビューは相当長くなるだろう。
飛ばして頂いて、一向に構わない。

・・・たいした事は言ってないので。

まずこの作品、水上勉のいわゆる社会派推理小説が原作だ。
僕は推理小説が大好きで、特に本格と言われるジャンルをこよなく愛している。

松本清張など社会派の流行で横溝正史などの本格派の作家が一時期苦境に陥った事がある。
だから、社会派推理小説には複雑な感情があるのだが・・

映画化となると話は別だ。
これは、圧倒的に社会派の方が面白い。
監督は違うが、松本清張原作の「砂の器」は名作である。
是非とも観ていただきたい。
本格推理は映画には向いてないのだ。

さて、この作品だ。

とにかく、左幸子が素晴らしい。
娼婦の役なのだが、実に純粋かつ無垢で魅力的なのだ。
かわいいと言っても差し支えない。
以前観た時も左幸子がすごく印象深く、胸がしめ付けられるような気持ちになったものだ。

三国連太郎が実に濃い!
顔面の話だ。
濃い度90%だ。
ジョージ・クルーニーかオマー・シャリフなみだ。

私も濃い度70%として鳴らした男だが、連太郎にはかなわない。
さすが90%だ。
T太郎

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