めかぽしや

飢餓海峡のめかぽしやのレビュー・感想・評価

飢餓海峡(1965年製作の映画)
3.9
『飢餓海峡』

同名小説を東映、内田吐夢監督がサスペンスタッチで仕上げている。
1964年公開のモノクロ映画。
主演は三國連太郎、助演は若き高倉健が出演している。

物語りは昭和22年に北海道と青森を結ぶ青函連絡船が台風で沈没する事故と北海道でおこった大火事、岩内大火がベースになっている。
青函連絡船事故で亡くなった人の数が名簿の数より2体多い事から始まる。
岩内大火は殺人をし、金を盗み、放火する事件。
逃げる男3人。

青森まで逃げおおせるのは男1人、犬飼、犬飼を追う刑事弓坂、犬飼と1度だけ関係を持ち、犬飼を想う八重。

戦後間もない日本、誰もが飢餓に陥り必死にならざる得ない時代。
犬飼、弓坂、八重はどう生きていくか。

撮影、映像が印象的で、八重の赤線地帯での長回しの俯瞰ショットや犯行時ではネガポジを逆にした映像がとても斬新でした。

内田吐夢監督作品は宮本武蔵の『一乗寺の決斗』と『巌流島の決斗』を観ましたが、他の作品も観てみたくなります。

3時間を越える作品。
最近の映画にあるジェットコースター感はありませんが、こだわりや美しさを感じる作品でした!
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