めかぽしや

静かなる叫びのめかぽしやのレビュー・感想・評価

静かなる叫び(2009年製作の映画)
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先日観劇した「森フォレ」という舞台で
少しだけ、でも大きなきっかけとなった
モントリオール大学の銃乱射事件が語られ
改めて未見のヴィルヌーヴ監督作品を
観なくては!と思い鑑賞しました。
そんな中、日本では小田急線の事件もあり
ミソジニーの逆恨みは恐ろしい。
でもそんな犯人ができあがってしまった
環境も注目すべきでは?と思います。

本作の“静かなる叫び”を発しているのは
生き残った女子学生ヴァレリーだけでなく
銃乱射をした犯人の心の叫びでもあり
女子学生を救えなかった男子学生の悲痛な叫びでもあると思います。
自ら命を絶つ事は心が自由になり
生き残った者は呪縛に囚われる。
その呪縛を断ち切ることは簡単な事では
ない。

まだ事件が起こる前にヴァレリーが
インターンの面接の際に言われたこと、
“女性は妊娠したら辞めてしまうから長く続かない”
って1989年のカナダでも就職差別があって32年後の日本でも表には出にくいけど
ある事は事実。
若い女性たちが生きやすい世の中に
なる事を願ってやみません。


観劇した「森フォレ」はワジディ・ムワワド“約束の血”4部作のうちの3作目。
1作目「炎 アンサンディ」は
ヴィルヌーヴの『灼熱の魂』として映画化されてます。
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