Risa

宮廷画家ゴヤは見たのRisaのネタバレレビュー・内容・結末

宮廷画家ゴヤは見た(2006年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

観た後 動悸がとまらなかったです。。
『カッコーの巣の上で』のミロスフォアマン。

スペインのロマン主義 画家ゴヤ(まだスペイン熱)の絵のモデルと、その時代背景の話。

ナタリーポートマンの演技、なかなかのものでした。いつかのイザベル・.アジャーニーもびっくりの演技です。
ゴヤの絵のモデルをしていた美しく順風爛漫なイネス(ナタリーポートマン)が、異端審問で拷問されて捕まり、牢で怯えやせ細り、出てきた時は精神異常者へと。

拷問シーンは なんと悪趣味、、
少女を裸で両手を後ろでロープで縛り、そのまま釣り上げるというものです。
なんとも辛い事に、特に誇張されてる訳でもないんだろうなと感じます。

異端審問にかけたロレンゾ修道士(ハビエル・バルデム)が、もう、鼻の下伸ばした(元々伸びてる)変態にしか見えません、、
酷いのは、その後もです。裸で牢に入れられた 怯えるイネスを慰めてなんと牢で子供を宿らせてます。その後ロレンゾは他国へ逃げ、イネスは15年後牢から変わり果てた姿で出て、ゴヤへ会いに行きます。 牢の中で、子供を産んだのだと。。可哀想なイネス、男はロレンゾしか知りません。

異端審問で議題に上がったのはゴヤの銅版画も同じです。
ゴヤと聞いて真っ先に思い浮かぶ絵は『我が子を喰らうサトゥルヌス』。。そして『裸のマハ』、『カルロス4世の家族』でないでしょうか。『裸のマハ』も当時 神話でも裸の絵を書けなかった時期で、異端審問にかけられてます。

当時 陰毛を描くことが禁止されていたそうですね。女神には無いんだそうです。そりゃ困った 笑

映画内で銅版画を作る過程が描かれてます。なかなかの見応え、ちょっと嬉しいシーンです。

ゴヤの難聴で聴力を失う前からと、失ってからどちらも描いております。
宮廷の画家として有名になり認められ お金を稼ぎ、銅版画で異端審問で物議を醸すほどの痛烈な風刺を描き、そして スペインは戦禍を経て ゴヤは熱で聴力を失い、描くものは暗いものへと変化していきます。

ナポレオン時代は人間が大量虐殺されていた時代なので、ゴヤの絵が 病んでいくのも当然ですね。ただ単に豚肉嫌いの子がユダヤ教と思われて異端審問にかけられるんです。

そう言えば 流石スペイン 牢から出たイネスがゴヤに会いにきた時に ゴヤが生ハム原木削ってました。私もまた買おうかな。

そう言えばですよ、イネスが牢から出てきた後 顔が歪んでるんです。そして、ゴヤの絵には その歪んだ顔 そっくりの絵があるんです。。さらに 娼婦になったイネスの娘 (16歳くらいの役の筈なので、あの色気と大人っぽさはやり過ぎかも?でも素晴らしく魅力的。)前髪でハートを作ってあるんです。ゴヤの絵に 居るんですよ 前髪を内側に巻いてる少女の絵。あの子がモデルなんですね。

ストーリーや魅せ方、この重さは大満足ですが、是非 観る人は 絵を軽くでも知った上で観てほしいですし、観た後でも絵を知ればさらなる 繋がりに 心臓バクバクです。
スコアが5にならない理由は ロレンゾが屑過ぎて、イネスが報われなさ過ぎる非道さが辛過ぎるから。