伊達巻

稲妻の伊達巻のレビュー・感想・評価

稲妻(1952年製作の映画)
4.5
23歳…自分と同い年の主人公に出会う確率がかつてないくらい高い気がする今年。なんとなく、でも確かに感じられる不自由の空気というもののなかで、どうにもやりばのない鬱憤を抱えている。世間一般の生き方が、どうにも変なことに思えて。でも同時に、それすらできない自分は、もっと変に思えて。私なんて生まれなきゃよかったと、やがて自己嫌悪に陥って。これまでで一度も幸福だなんて感じたことがない、これは社会への嘆きというより、わたし個人のちっぽけな生き様に嫌気がさしてしまったときの、正直な告白だ。美味しいのかよくわからない蕎麦、すっぱいぶどう、ちょっと吸ってみるたばこ、熱気、男性美としてのすねげ、ちびねこ。映画に豊かなでこぼこがあって、とても面白い。きたねぇ腕噛んで唾吐いて。嫌いな奴には嫌いって言おう
伊達巻

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