[自分のルーツをたどる]
この物語は、双子の兄が突然いなくなった喪失感を持つ男の子と、母の妹に育てられたという入り組んだルーツをもつ女の子の関わりを描いている。
そして、それは、父が去り、母方祖母に育てられたという、河瀨直美監督自身のルーツを探してきたというテーマと重なっている。
しかも、物語は、あるような、ないような、誕生で区切りにはなっている。でも、河瀨監督ならではのドキュメンタリータッチの形なので、観ているこちらはストーリィに深く関わることが無く終わっていくのが残念ではある。
これが、河瀨監督のスタイルなんだろうと、実感した。私は、「萌の朱雀」「殯の森」が最高作と思う(2020.11.15)。