タカシサトウ

沙羅双樹(しゃらそうじゅ)のタカシサトウのレビュー・感想・評価

3.4
[自分のルーツをたどる]

 この物語は、双子の兄が突然いなくなった喪失感を持つ男の子と、母の妹に育てられたという入り組んだルーツをもつ女の子の関わりを描いている。 

 そして、それは、父が去り、母方祖母に育てられたという、河瀨直美監督自身のルーツを探してきたというテーマと重なっている。

 しかも、物語は、あるような、ないような、誕生で区切りにはなっている。でも、河瀨監督ならではのドキュメンタリータッチの形なので、観ているこちらはストーリィに深く関わることが無く終わっていくのが残念ではある。

 これが、河瀨監督のスタイルなんだろうと、実感した。私は、「萌の朱雀」「殯の森」が最高作と思う(2020.11.15)。