沙羅双樹(しゃらそうじゅ)の作品情報・感想・評価

沙羅双樹(しゃらそうじゅ)2003年製作の映画)

SHARA

製作国:

上映時間:99分

ジャンル:

3.7

「沙羅双樹(しゃらそうじゅ)」に投稿された感想・評価

koma

komaの感想・評価

3.8
初めて観たのは大学時代。
当時はストーリーよりも映像に意識が向いていた。
流れる景色を眺めているとだんだん奇妙な感覚になってくる。特に冒頭の路地を駆け巡る場面は脳裏に焼き付いていて、ふとした時にその感覚とともに思い起こされる。
櫻

櫻の感想・評価

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翳りゆく光。光がさす陰。となりで巡る時間。その中で生きているわたしたち。夏になるとざわつく残像は、きっとあの日消えた兄の姿。陽のあたる場所で、心にある陰を隠す。忘れるんでもなく、消えるでもない。踊れ踊れ踊れ。蠢くものよ。雨のようにすぎさり、一瞬の煌めきを残すためのもの。ざわざわと風に揺れる木々の緑と空の青。生きるものよ、その真ん中でわたしたちの日常がまわる。
待ちつづけては待つのをやめての繰り返しのなかで、異なる待つ対象が現れることによって待つことを忘れられるのかもしれない
つまり、期待がなくなった待つによる苦しみにかわるのは、新たな、期待が大きい待つ 
待つ対象が増えてくことで「~を待つ」から「待つ」という自動詞的なスタンスとして生きて行けるのかも
祭りも新たな生も、待つ苦しみを緩和させる新たな待つなのかも
(参考文献.「待つ」ということ、鷲田清一)

監督のもつ死生観にこの待つって軸を絡めて考えられたので凄く面白かった

バサラ祭りのシーンはお気に入り
死は生の一部で巡るものってのが監督の考えなのかなと思ってたけど、あの踊ってるシーンは死が生からかけ離れてた気がする
死は生の一部ではあるが、死を忘れた生を生きる時間つまり人が輝く時間を生きることも生には必要ってことなのだろうか、
監督が実際にそう考えてるのかは全くわかんないけど
面白みはないけど。
河瀬さんの作品は、終始緊張感を抱えて見てしまう。
躍りの時の雨が降ってきた映像は、見いった。踊り手だけでなくあの祭の場にいた人々が、生き生きと光っているように見えた。
これは見事な河瀬直美監督作品であった。
とくに「バサラ祭り」なる祭りシーンが最高であり、「人間輝ける時に、輝かんと!」という言葉に感動した。

全編にわたって、走る少年たちを追いかけるカメラ、走る自転車を追いかけるカメラ、いずれも走っている人物の後ろから撮影されているのだが、良く撮ったと思う映像。

河瀬監督の地元=奈良を舞台に、この映画は河瀬監督でなければ撮れない。

河瀬直美監督の傑作のひとつと言えよう。

<映倫No.116549>
沙羅双樹は熱帯雨林の構成樹のひとつらしく、フタバガキ科ツバキ属の植物とのことです。釈尊がこの樹の下で涅槃に入ったことで有名ですね。花言葉は、愛らしさとか、包容力とのこと。ここまで作品と関係なし。

映画は擬似的なドキュメンタリー形式で進みました。
ドキュメンタリーの手法で、奈良のある町の、ふたつの家族を描くのですが、どこを切っても同じ味付けというところがいいのかわるいのか微妙でした。

邦画の嫌な暗さを引きずってないところは好感持てました。

(思い出しレビュー)
chloe

chloeの感想・評価

3.8
奈良の古い街並、静かで音楽を排除した作風、客観的な視点、ドキュメンタリーかと思うようなカメラワーク。
『萌の朱雀』よりも、生身の『人間』に近付いた気がしました。
人それぞれ悩みや問題を抱えているんだけど、それをドラマチックに描くんじゃなくて、すごくありふれた日常として描いてます。
祭りのシーンはすごく印象的。
他のシーンとの「静」と「動」のコントラストがすごく面白い。
映画男

映画男の感想・評価

4.5
よかった。この映画は、多分失踪した少年の目線で撮ったんだと思う。お母ちゃんが子どもを産んで、ふわぁと空高くカメラが上昇してエンドロールが流れた。きっと失踪した少年は、母親から生まれてきた赤ちゃんを見届けて無事に成仏したんだろう。そんな気がする。いやあ良い映画やな、ホンマに。
家族の1人がいなくなった一家それぞれが、以来数年間ハッキリと口には出さずともその陰な出来事を抱えながら街の中で日々を生きていく…みたいな感じ。

奈良のならまちというところが舞台らしいんだけど、小道や入り組んだ路地がほんとに風情があって、でも完全たる観光地としてだけではなくて今実際住んでる人もいてリアル感ある一方で、少年のいなくなり方が不自然というか、走ってたら消えたみたいに非現実的で、ちょっと映画全体の雰囲気との親和性がなくて、スッキリしなかった。

手持ちの撮影も部分的には、例えば路地奥にどんどん走り入って行くようなところはいいけど、全編に渡るとただただ目が疲れる…

あと高校生のお二人さんの神社でのファーストキスはなぜあんな長い?普通ああいう場合のキスって1秒くらいだと思うんだけど、10秒以上あっておかしかった。

このレビューはネタバレを含みます

特典より抜粋
「この世界に生きている全ての人々はもっと広い部分で何かを受け止めている。
明らかにこちら側が脚本なりで全部を決めて現場に入ると、俳優がスイッチオンしてやると思う。でもそうじゃないと思う。」

沙羅双樹は仏教における無常の象徴とされている。私の中で無常っていうのは、この世は絶えず移り変わっているっていう意味だったと記憶している。

カメラが絶えず動いているのも、そういうことなのかなーと。このカメラは一体誰の目線だったのだろう。不思議な気持ちにさせられる映画でした。

兵頭さんかわいい。
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