イーサン・ホークも息の長い
いい役者さんですよねー。
年齢を重ねるごとに渋みも加わり
哀愁漂う役がよく似合う。
本作は異色のヴァンパイア映画で
初見もレンタルだったんだけど
結構、拾い物みっけ感があった。
謎の感染症で血を飲まないと
生きていけなくなる=ヴァンパイアに
なってしまった人々。噛まれたら
伝染するのは同じで爆発的に感染が
広がってしまい、既に人間が少数派に
なってしまった世界が舞台。
少数派というより、絶滅危惧種並みまで
減少し、それはヴァンパイアにとっても
食料供給が断たれてしまい、自滅の道を
歩んでしまう事を意味する。
この逆転的発想がなかなか面白い。
夜しか活動出来ないヴァンパイアが
世界を動かして、人間が隠れている。
この世界観の構築が結構、細部まで
行き届いていて映画の雰囲気を盛り上げて
いる。
昼でも運転出来る日中モードを
搭載した車や、太陽の光が届かない地下道のCMとか、駅構内にある血の入ったコーヒーショップとか(笑)
血が薄いぞっ、もっと入れろっ
いや、5%しか入れちゃダメなんです!
なんてやり取りでケンカが始まっちゃう
とか、いいなぁーその世界観(笑)
青白顔が似合うサム・ニールが社長の
巨大血液販売企業に勤め日夜、代替え
血液の開発に勤しむイーサン。
イーサンは代替え血液を開発すれば
人間を殺さなくて済むと考えている。
しかしサムはあくまでも代替えで
あって、開発すれば純血の人間の血は
更に高値で売れるという金儲け主義。
なかなか開発が進まないある日
イーサンは地下組織の人間に出会い
彼らに協力する事に。
果たして人類の滅亡を防ぐ事が
出来るのかっ!って言うのが大まかな
プロット。
ヴァンパイアの仲間でも、貧困層の
ヴァンパイアは人間の血が買えないので
血液不足になるとバケモノみたいな
ヴァンパイアに変貌してしまう。
この変異種との戦いのシーンなんか
スタイリッシュな世界観とは真逆で
かなりスプラッター度が高いのもいい。
なんならブレイドよりも血糊の量は
多目で、更に太陽の光に当たった時の
人体爆破も激しかったりする。
やっぱりメジャー大作だとこの辺は
集客重視のR指定回避を狙ってくる
ので描写がソフト化されてしまうので
本作のような血がドバドバな
ヴァンパイア映画は大歓迎だ。
訳の分からない感染症のパンデミックで
食料供給がままならなくなり世界で
飢餓による暴動が起き荒廃していく。
ってなんか現実世界でもありそうな
設定を取り込んでいるのもいい。
イーサンは本作の脚本も兼任している2人の兄弟監督とウマが合ったのか
次作のプリデスティネーションにも
出演している。
やっぱり映画の世界観の構築や
ヴァンパイアの人体破壊描写に
監督の拘りとかやる気とが反映されてる
吸血系映画は面白い。
ブレイドとかR指定でハードに
リプートしてくれないかなぁー。